火災の際、初期に火災を発見し、適切な消火や避難をすれば被害を小さくすることができます。
消防法に基づき、用途・規模・収容人員等に応じて消火器、スプリンクラー設備、自動火災報知設備、避難はしご、誘導灯などの消防用設備が設置されています。
これらの消防用設備は、建物内の人々に火災を知らせる、消火する、避難を助ける等、消防活動上必要となるために設置されています。それら機能が十分に発揮できるように定期的に点検し不良箇所を直しておく必要があります。
これまで、消防用設備の機能が不良であったり、消防用設備の電源が切られていたなどの管理上の不備が原因で多くの尊い命が失われました。
このことから、昭和49年に消防法が改正され、昭和50年から法律上の義務として消防用設備の点検報告制度が始まりました。 しかし、消防用設備が有効に機能しなかったため、火災が拡がった例が後を絶ちません。
昨年、東京消防庁管内で消防用設備が効果的に機能せずに延焼拡大した火災は延べ138件ありました。このような被害をより少なくするためには、消防用設備を確実に定期点検していただくことが必要です。
平成13年、東京消防庁管内では6,933件の火災があり、そのうち建物火災は約58%にあたる4,044件発生しています。
消防用設備の設置が義務づけられている建物から出火した火災のうち、「使用・作動の必要がなかった」「警戒されていない部分から出火した」に分類された2,518件を除いた2,107件の消防用設備が火災で機能する必要がありました。
しかしこのうちの約50%にあたる1,050件の消防用設備が何らかの原因で火災時に効果的に使用・作動しませんでした。
これは防火管理上の問題と消防用設備の維持管理の不適切が考えられます。
−平成14年版「火災の実態」東京消防庁予防部調査課編集資料から抜粋−
| 消防用設備等
使用又は |
火 災 発 生 建 物 延 件 数 |
消 火 器 ・ 簡 易 消 火 器 具 |
そ *1 |
警 *2 |
| 合 計 | 4625 |
2116 |
745 |
1764 |
| 効果的に設備が使用・作動した | 1057 |
476 |
20 |
561 |
| 効果的に使用・作動せずに延焼拡大したもの | 138 |
123 |
4 |
11 |
| 効果的に使用・作動せずにぼやで消えたもの | 80 |
58 |
9 |
13 |
| 使用・作動しなかったもの | 832 |
642 |
50 |
140 |
| 使用・作動する必要がなかった | 2504 |
817 |
662 |
1025 |
| 警戒されていない部分から出火 | 14 |
0 |
0 |
14 |
*1:屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、動力ポンプ設備。
*2: 自動火災報知設備、非常警報設備器具
過去7年間の火災の累計情報から、消防用設備の点検報告が実施されなかった建物と点検報告が実施された建物の火災件数の比率をみると、点検報告の実施されなかった建物の方が火災発生率が高く、延焼拡大率についてはさらに高い数値が示されました。
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